フィリピン・ミンダナオ島は多くの先住民とルソン、ビサヤ地区からの移住移民者たち、そしてまた多くのイスラム教徒が共存している島です。特にミンダナオ中部はキリスト教徒とイスラム教徒、地元先住民族が共に暮らすというユニークな環境でよく知られています。ミンダナオ島はこれまでに多くの紛争のなかで模索された正義と平和への努力、そして争いによる殉教者や犠牲者の姿を目撃してきました。特にMILF(モロ・イスラム解放戦線)、MNLF(モロ・民族解放戦線)と政府軍の戦いの中では多くの尊い血が流されました。人々は今まさに平和と秩序を求めています。 そして絶え間なく続く憎しみと誤解による争いの中においても、平和と秩序の創造、和解への努力を試み続けています。しかし最も苦しみを被っているのは誰でしょう。主にそれは子供たち、社会の中での罪なき犠牲者たちなのです。
日本の札幌教区から宣教司祭として来た祐川郁生神父がイースタービレッジを創設したのは、この状況をどうにかしたいと感じたことが発端となっています。神父として東ダバオ州のサン・イシドロ・ラブラドール小教区で奉仕する一方、彼はボランティアとして孤児院のお手伝いをしてきました。そこで、彼は子どもたちと共に遊び、交流するという体験をしたのです。
祐川神父が東ダバオからこの北コタバト州のキダパワン市に移って来た際に、彼は自分の使命について考え始めたのです。なぜなら、彼は孤児たちのことが忘れられなかったからでした。彼らといると逆に自分の方が癒されていくような体験が忘れることができませんでした。そして、そんな孤児たちはコタバト州にもおり、助けを必要としている。「ここに孤児院を建てよう。」 そんな想いが彼に浮かんだのです。それはとても単純なことでした。彼はただ、親をなくした子どもらを助けたい。そして彼は孤児院を立てることを夢見始めたのです。
祐川神父はイースタービレッジの創設者として、現在は札幌教区で支援活動をしています。そして支援者、とりわけ札幌教区のカトリック、プロテスタントの信者たちは、イースタービレッジのミッションに理解を示し、宗派の違いを超えて支援活動をしてくれています。当地のキダパワン教区もまたこのミッションをサポートしてくれています。
多くの人々の思いと絶え間ない祈りによって、神はイースタービレッジの支援者たちの心に小さな信仰の種を植えられ、彼らの心の扉を開かれたのです。キダパワン教区の大きな理解と助けのもと、多くの日本のクリスチャンと教会がこの地の子どもたちを守るために、祈りと資金援助を約束してくれています。
この児童養護施設は2002年8月に小さな借り家からスタートし、そして2003年8月には子どもたちの家という意味で「イースタービレッジ・オーファニッジ」と名付けらました。また、2004年8月には、多くの支援を受けて、現在のリバーパークの地に、建物が建設されました。2017年には、正式名がEaster Village Children’s Home(イースタービレッジ・チルドレンズ・ホーム)と改名されました。
VISION
我々は受け入れた子供たちが安全で生産的な生活を送ること、また子供たち自身やより広いコミュニティと協力して、彼らに深い精神的価値を根付かせることを目指します。
MISSION
1.保護者のいない見捨てられた子供たちを受け入れ保護すること
2.傷つけられた自己を回復し貧困と育児放棄や暴力からくる怒りや絶望といった否定的な感情を解決へ導くこと
3.子供たちの潜在的な能力を引き出し育てることで社会正義と平和への有力な推進力となるよう促すこと。
GOAL
1.子供たちが生き延びて生産的な生活ができる為に必要なものを供給するレジデンシャル·ケア(24時間体制の養護プログラム)を運用し維持すること。
2.キリスト教の教義をベースに基本教育、技術トレーニング、価値観の形成、モラルと心の豊かさのための教育プログラムを発展させ実施すること。
3.異文化を尊重する環境を育むこと。
4.血の繋がった両親や親類に会えない子供のためにはそれを補完するプログラムを実施すること。
Chairman:
Fr. Rolando T. Tabosares
Members:
1. Fr. Carlito Garcia
2. Fr. Gerardo Tacdoro
3. Fr. Desiderio Balatero Jr.
4. Fr. Arnel Cabrera
5. Fr. Hipolito Paracha
6. Fr. Antonio Lupiba
7. Fr. Alfredo Palomar